逆風の中で信徒を増やす仏教教団

時代に合った教えが多くの人の心に共感される

現在の日本は、新興宗教にとっては逆風の時代となっているようで、多くの教団がその信徒の数を減らしているそうです。全体的に言えば、縮小の傾向が見られるようです。その中で信徒を増やしている教団に真如苑という教団があるようです。
その特徴となるのは、厳しい修行や生活のしばりがない点でしょう。さらに、政治に関しての関心もそれほど高くないということが挙げられるようです。一般的に、新興宗教の場合、厳しい修行や生活においての制限があり、在家の信者の場合、修行もままならないといったことがあるようです。仕事や生活において何かと忙しい現代では、なかなか時代にマッチした教団というのがなく、その点で時代に合った教団ということが言えるのかもしれません。

真如苑のなりたち

真如苑は、伊藤真乗が設立した教団で1936年設立となっているので、他の新興宗教とそれほど違いはないと言えるでしょう。伊藤真乗は仏門に入る前は、航空エンジニアをしており、その点ではあまり宗教とは関係がなさそうです。しかし、当時は職場の仲間たちの相談にのることが多かったようです。これは、家庭環境的に易学に通じていたということも影響がありそうです。
もともと職場の人から相談を受けることが多かったのですが、それが評判となり、多くの人が伊藤真乗のもとに相談に訪れるようになったようです。この多くの人を救いたいという思いから、30歳を前にして夫婦で仏門に入ることを決心し、真言宗醍醐派総本山である醍醐寺に出家して得度を得ることとなったそうです。その後は出家者として修行を重ねていたのですが、戦後に宗教法人法が改正されたことを機に独立して教団を設立したようです。

在家信者と出家信者

一般的には、出家信者と在家信者では大きく修行の方法も異なり、出家することが基本となるようですが、真如苑ではそのかたちは少し異なり、出家在家に関係なく誰でも修行ができるようです。これは、真如苑ならではの、他の教団とは異なる修行の方法とのことです。
真言密教では、出家して修業しなければ真理にたどり着くのは難しいといわれていますが、新たな修行の在り方を見いだし、在家出家に関係なく修行ができるのは、ある意味仏教会においての革命ともいえるのかもしれません。
設立から現在まで、この考え方は変わらず、3つの歩みという修行方法で、在家信者が日常生活の中でも修行ができるようにしたものだそうです。これはお歓喜、お救け、ご奉仕の3つで、これが基本となり、それ以外に朝夕のおつとめ、法要参座、接心修行といった修行があるようです。