在家で仏道を歩む

3つの歩みを修行とした真如苑

多くの新興宗教の教団が出家して修行を行うなかで、在家でも出家と同様とされる真如苑という仏教教団があります。ここでは、3つの歩みという修行を行い、一般的な社会生活を送っている在家信者でも仏道を歩むことができるようにしたものだそうです。
真如苑は伊藤真乗が開祖で、1936年に設立されています。実際は伊藤真乗が仏門に入った日であり、教団ができるのはまだ後のことなのですが、開祖が仏門に入った日を設立日としているようです。
本来、密教における修行は出家しなければ心理を得ることはできないとされているのですが、在家でも可能ということは、仏教の世界においては、革新的なことといえるのかもしれません。在家でも同様に修行が可能となったことで、教団を設立したということなのかもしれません。

3つの歩みとは

お歓喜、お救け、ご奉仕というのが3つの歩みといわれています。
お歓喜は感謝の気持ちをもって、できる範囲でお布施をするということのようです。人はどうしてもお金には執着を持ちやすいということもあり、その執着を離れるというところに意味があり、そうすることでいつか自分にその徳がかえってくるという考え方のようです。
お救けというのは、真如の教えを伝えていくことのようです。簡単に言えば、伝道ということになるようです。教えを伝えた人に対して、安心や喜びを感じてもらうということが目標ということになっています。
ご奉仕はその言葉の通り、いろいろな奉仕活動を行うというものです。早朝奉仕と呼ばれるものでは、全国の5800もの駅前や公園といった箇所で清掃を行っているようです。掃除という行為をすることで、同時に自分の心もきれいにするといった意味があるようです。
ご奉仕に関して、真如苑では積極的にボランティア活動も行っているそうです。国内の被災地へのボランティア活動だけでなく、海外では紛争地域や貧困国に対してもさまざまな援助を行っているようです。
真如苑救援ボランティアSeRVを設立しており、災害時には出動を行うだけでなく、市町村との災害協定も結んでおり、いざという場合には、施設の提供を行う準備をしているそうです。

3つの歩み以外の修行

真如苑の修行は3つの歩みが中心となりますが、それ以外に朝夕のおつとめ、法要参座、接心修行があるようです。
朝夕のおつとめでは、朝・夕に読経を行うそうです。法要参座は、年間のさまざまな法要で、みんなでお経を誦えるというもののようです。
接心修行では、寺院で修行を重ねた指導者からアドバイスを受け、自分の心を見つめなおすという修行を行うそうです。このアドバイスを受けることで、自分と向き合い、これからの生き方を見つめなおすきっかけにするようです。
真如苑で中心となっているのは、涅槃の教えであり、大般涅槃経をもとにして、伊藤真乗によってさまざまな修行が考えられているそうです。